約定の仕組みについて
ここでは株式投資において取引が成立する、
いわゆる約定について説明していこうと思っています。
この約定においてですが、大きくわけると2つ方式があります。
約定方式について
約定方式は大きく分けると2つあります。
それは「ザラバ方式」と「板寄せ方式」と呼ばれるものです。
これらの約定方式は各々、約定するタイミングが異なります。
ザラバ方式と板寄せ方式の約定タイミングイメージ図

上の図を参考にしてもらうと・・・
「ザラバ方式」の場合は、
前場取引時間内と後場取引時間内に行う約定方式です。
「板寄せ方式」の約定のタイミングは、
前場取引時間(9:00と11:00)と後場取引時間(12:30と15:00)になります。
ではこのうち、メジャーなザラバ方式について簡単に説明してみようと思います♪
ザラバ方式
ザラバ方式とは、ザラバが開いている間で約定させる方式です。
もちろんザラバが開いている間は、
注文がめまぐるしく出され、約定も決まっていきます。
このザラバ方式においてはルールがあります。
それは、「価格優先の法則」と「時間優先の原則」です。
価格優先の法則
買い注文の場合 | 値段の安いものから買い注文が優先され約定する。 |
売り注文の場合 | 値段の高いものから売り注文が優先され約定する。 |
時間優先の法則
買い、売り注文共に | 同じ値段で注文した場合は、より早く出した注文が優先され約定する。 |
それではこれらの法則を実際の取引、下記板情報の状況で説明していきますね。
売り数量 | 値段 | 買い数量 |
300 | 203 | |
200 | 202 | |
100 | 201 | |
200 | 200 | |
199 | 300 | |
198 | 400 |
ではこの板情報の場合、
下記のような買い注文、売り注文をした時を見ていきましょう。
指値、200円で100株売り注文を出した場合
この場合であれば、
200円の買い数量は200株なので、売り注文の100株は成立します。
この時、200円の買い数量200株のうち、どの株から約定されるかは、
より早く買い注文を出した分から約定されていく(時間優先の法則)こととなります。
売り | 株価(円) | 買い |
300 | 203 | |
200 | 202 | |
100 | 201 | |
200 | 100 | |
199 | 200 | |
198 | 400 |
成行、200株買い注文を出した場合
この場合であれば、
一番安く売りに出されている、201円でまず100株分が約定します(価格優先の法則)。
そして残り100株は、次に安い202円で100株分が約定されます。
売り | 株価(円) | 買い |
300 | 203 | |
100 | 202 | |
全て約定 | 201 | |
200 | 100 | |
199 | 300 | |
198 | 400 |
指値と成行って?
念のため、指値と成行については下記のような違いがあります。
注文方法 | メリット | デメリット |
指値 | ご自身の指定した株価で売買が可能 | 約定の優先順位が低くなる |
成行 | 約定が優先して行われる | 約定される株価が予想とズレる可能性がある |
ですから、希望する株価で株を売買したいのであれば「指値」、
とにかくいくらでもよいから、今すぐに株を売買したい場合は「成行」注文ということになりますね。
※指値については、「特殊注文で比較する!」の指値の項も参照してみてください。
また、指値と成行で約定される優先順位ですが、
もし買い注文の場合であれば・・・
1.成行
2.指値(注文株価が高い)
3.指値(注文株価が安い+注文が早い)
4.指値(注文株価が安い+注文が早い)
といった順に優先されていきます。